地域おこし協力隊卒業発表「山の上コンサート」
ご無沙汰しています。
9月末で任期満了となりました!!
最後に自分から皆さんへ感謝を込めて、「山の上コンサート」を
北月山荘のロッジで開催しました。
夜、雨の降る中でしたが、約30名の方におこしいただきました。
本当にありがとうございました。
卒業発表では、自分の発表とともに、朗読を行いました。
気づけば年間30以上のイベントをしていたようで、本当に、いろんな方の
力をお借りしてこの場を楽しめたなと改めて思いました。
地域の魅力を活かすこと、生活している人と観光事業をすることの難しさを
感じながらも、走り切った3年間だったと思います。
次は、新天地、岩手県の藪川という地域へ。
「日本で一番寒い場所」をウリにしている場所です。
そこで、自然相手の仕事をします。
すっかり東北の魅力にはまってしまったようです。
岩手と庄内町は意外と縁があるので、またここにきて何かできることもあるかも。
そういうことを考えながら、次の地を決めました。
最後に、発表会で読んだ立谷沢の皆さんに込めた思いを、書きます。
ここに来たことのある方も、来たことのない方も、
ご一読いただき、この地を感じていただけましたら幸いです。
『春夏秋冬』
立谷沢。
同じ庄内町でも、30㎞離れている余目とはかけ離れている。
清川の踏切を渡り、立谷沢川沿いに走る。立谷沢川を約20㎞走ると、北月山荘がある。
その20kmには、15集落があり、それぞれに特色があるのだが、3年前庄内に来たばか
りの私には、同じようにしか見えなかった。住んでいる方からすると異なるかもしれな
いが、自分なりにわけると3つ。清川の4集落は立谷沢と清川の中間に属し、若い人が
比較的多いイメージ。立谷沢というと「違う」といわれる。立谷沢の科沢までは農業を
中心としたイメージ。比較的中央の木の沢に近く、開けた性格の人が多い。今では、2
本の道がメインであるが、川が氾濫していたころなんかは、川の東側、西側でまた違っ
たのだろう。特に羽黒古道がある鉢子なんかは、異なる気がする。工藤沢は個人的には
なぞ多き部落。奥のかんのん宮様など、坂の上の奥にある何かがありそう。新田は独立
部落。奇跡の6世帯すべてが3世代でお婿さんも多いというのはいまだに衝撃。そし
て、あの奥まった感じのつくりがやはり他との違いを引き立たせる。その分、秘境も多
く、住んでいる人々の個性も強い。大中島、瀬場は、山の暮らしなイメージ。建設業が
多いためもあるのかもだが、ザ・現場、的な雰囲気がする。砂金のにおいがするのもこ
の辺。
冬:
立谷沢の冬は長い。12月半ばをすぎると、容赦なく雪が降り始める。除雪車が雪をのけても数時間後には、ふわふわの道路に変わってしまう。ここに住む人たちは、4時頃から除雪を始めるのだろうか。夕方・夜にもしなければ朝が大変だから、本当に気が休まらないと思う。それでも、通るところだけでなく、家の前すべてをきちんときれいに雪かきするのだから、すごい意識の高さだと思う。いわなの養殖場にいく水が凍り、岩魚小屋に水が届かなくなった時があった。こ今でも忘れられない。冬になると、様々なものが埋まっていく。駐車場の前の広場は雪山になり、龍神観音堂も埋まり、ロッジの屋根に登れそうなほどここには雪が積もる。兼古さんの車はよく埋まる。その中で、昨年ひたすら雪を毎日かいてかいてスノーパークを作り上げていたのが土門さん。何もなかった場所が、滑り台3本と階段とで、かなり広いエリアになった。「毎日コツコツと」このことをこれほど自分の体を犠牲にして示してくれる、教えてくれる人は、いないと思う。
春:
2月後半~3月になると、雪が締まり始める。“雪が締まる”というのを聞いたのもこっち来てから。BCの人たちが訪れ「温泉と食事があるBCには最適」と口をそろえて言ってくれる。私も仲良くなった方に983mのポイントまで連れてってもらった。3回くらいのぼったかな。パウダーは癖になります。
3月後半。少しずつ山菜の知らせがでてきて、やまぶどうのカウンターが一気に明るくなりはじめる。山菜は冬の毒素をだすために、にがいというけれど、本当そう思う。昔の日の人は良くこれを食べようと思ったな・・・ジュンサイの非日常も味わえた
夏 いわなつかみ、砂金、登山・・・この周辺のアクティビティの魅力は尽きない。ホタル観賞をしたのも夏だった。ここの虫は強い。でも、星空観察はやめられない。開山祭、秋の峰入り、出羽三山を歩く人をみているとやはりここは何かに守られている場所だという気持ちになる。それくらい、不思議な場所。
秋 黄金色にそまる立谷沢。こんなに美しい山の紅葉は見たことがない。京都の紅葉よりっこっちの紅葉。作られていない、自然の色これから冬がくるのをしってるかのように、一生懸命にいろづく。新米をもたらし、農作物をかりとり、また、冬を迎える準備をする。
東北の暮らし。人々のこころ。四季を感じる、と言ってくれたお母さん(最初のアンケートで)それがこの日本でどれだけ大切か。きっともっと大切だと思われる日がくる。
その時のために、それを学んでもらえる場所。
守るのは、大変だと思う。でも、どうか何年後も変わらずあってほしい。
3年間、ほんとうにありがとうございました。